★★★★★
お気に入りのポイント 泉質・にごり湯・鄙びた風情・立地・湯小屋・雪景色・内湯・露天風呂・個性・析出物
温泉紹介
秘湯幌加温泉の鹿の谷(かのや)は、今や一軒宿になってしまった。
かつては隣にホロカ温泉旅館があったのだが、2011年に廃業。
析出物の見事な浴室の名湯であった。
鹿の谷は、未だに混浴を保ち、4つの浴槽に4つの違う泉質の源泉を供給する贅沢な温泉の至宝である。
この山奥で通年営業しており、冬でも硫黄泉の露天風呂に入ることができ、雪見風呂を堪能出来る山奥の一軒宿だ。
鹿の谷は、国道273号から幌加温泉への道へ曲がり、突き当りに位置する。
現在は素泊まりと日帰り入浴だけを受け付けているが、宿泊した際の朝におにぎりとコーヒーを御馳走になった。なんと親切なのだろう。
建物や湯小屋は老朽化しており、良い具合に鄙びている。
創業は1946年だが、一度焼失して1964年に立て直したそうだ。
それ以来、厳しい北海道の冬にも耐えてきた建物に逞しさを感じる。
3つの泉質を持つ内湯
内湯には、3つの浴槽と1つのうたせ湯がある。
3つの浴槽にはそれぞれ違う泉質の湯がかけ流されている。なんとも贅沢な内湯である。
大き目の窓からは外の緑が映え、それだけで癒される。
新緑の季節は、特に緑が眩しいほどだ。
泉質は、脱衣所から入って最初がナトリウム泉、次が鉄鉱泉、奥がカルシウム泉。
どれも無色透明で同じに見えるが、入ってみると確かにそれぞれの違いがわかる。
浴槽の縁には温泉成分が固着しているが、その様子が泉質によって少しずつ違いがあり、また、湯の華も違うので大変面白い。
湯小屋や浴槽自体は無機質な素っ気ないものだが、良い具合に鄙びているため悪くない。
実に落ち着く雰囲気だ。
絶品露天風呂
露天風呂も魅力的だ。
こちらは硫黄泉で、透明で緑がかった色をしている。
状況によってこの写真のように入浴剤を入れたかのような色になったり、薄黄色になったりと変化するので、見ていて楽しい湯だ。
湯中には大量の湯の華が沈殿しており、かつて湯口だった真ん中の仕切り岩には析出分が固着し、素敵なオブジェのようになっている。
また湯舟は宿の横を抉る谷川沿いの急斜面の上にあり、周辺の山の緑に囲まれ、気持ちが良い。
さすが秘湯である。
さらに冬は雪景色が大変美しく、忘れられないひと時を過ごせるのが素晴らしい。
さらに冬は雪景色が大変美しく、忘れられないひと時を過ごせるのが素晴らしい。
大量の湯の華が見える。
冬には気温が氷点下になるのだが、入浴中は寒さが気にならないから不思議だ。
美しい雪景色と緑の湯は心に残る。
こんな荘厳な朝を迎えることもある。
山の天気は変わりやすいので、移ろいゆく様を湯につかりながら眺めるのは最高だ。
夜の露天風呂は情緒がある。
ギャラリー画像
温泉情報 (2023年12月更新)
泉質: 含硫黄-カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・塩化物泉(硫化水素型)
源泉かけ流し: ◎
住所: 〒089-3964 北海道足寄郡足寄町茂足寄 59
電話: 0156-29-7321
営業時間: 9:00-20:00
定休日: 不定休
入湯料: 350 円 → 500円(2023年12月訂正)
ご注意:この情報は古い、もしくは不正確な場合があります。また、自然災害やCOVID-19による影響で営業が大幅に変更もしくは休止になっている場合があります。
訪問のご検討またはご利用の際は、ご自身にてご確認願います。
訪問時期: 2004月6月