外湯めぐり3 【バスターミナル周辺の共同湯】
7/18.瑠璃の湯(るりのゆ)
草津温泉バスターミナルから湯畑方面に歩いて1分の左手、湯畑からは徒歩4分の位置にある小さな湯小屋の瑠璃の湯。
意識しないと通り過ぎるレベルの小さな建物だ。
建物は、ちょっとした公民館のような造りで、共同湯という感じではない。
看板があるので、かろうじて共同湯と認識できる程度だ。これは地味だ。
スライドドアから入ると、一般的な共同浴場のような脱衣所があり、浴室とはすりガラスのスライドドアで仕切っている。
室内には、沢山のポスターや温泉分析書などが貼り付けられており、共同浴場感を醸し出している。
浴室に入ると、非常にシンプルな構造で、手前に洗い場、奥にコンクリート造りの浴槽で、周りは壁といったものだ。天井も草津の外湯の中では珍しく低い。
かなり無機質な造りなので、好みではないが、基本的に透明な湯が薄緑色に輝いており、さらに、コンクリートの浴槽の縁ではあるが、温泉成分によって白っぽく変色しているので、明るく美しい光景に嬉しさがこみ上げてきた。
蛇口から出る湯は湯畑源泉であり、贅沢にかけ流しされていることが素晴らしい。
小さい湯小屋ではあるが、この浴槽には大人4~5人程は入れる広さがある。
やはり湯量豊富で泉質の良い温泉だと、浴室に魅力が不足していても何ら問題ないものだと改めて認識した。
源泉:湯畑源泉
泉質:酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉 pH2.02
住所:群馬県吾妻郡草津町草津54(バスターミナルから徒歩1分、湯畑から徒歩4分程)
※一般入浴不可
2023年12月時点の情報
8/18.白嶺の湯(しらねのゆ)
草津温泉バスターミナルからすずらん通りを進んで徒歩3分、湯畑からは徒歩6分の位置の劇シブな建物が白嶺の湯だ。
ネットで調べると既にリニューアルされているようなので、この記事は以前の白嶺の湯のものだ。
建物自体は、プレハブ構造でかなり古いものだ。
中は、比較的広めの脱衣所があり、ガラス戸の向こうにシンプルな長方形のコンクリート造りで真っ白に塗られた浴槽が縦長に配置されていた。
その浴槽に湯畑源泉が勢いよく注がれているのだが、やはりこの湯は透明だが薄緑色を帯びているため、真っ白な浴槽だと一段と美しく、白嶺というネーミングに合う美しさであると感心した。
浴室に入ると、勢いよくかけ流された湯が床を伝っている様子がよくわかり、足元が先に温まるので気持ちが良い。
排水口に向かって流れる湯の通るところは一段と白いので、浴槽の縁とともに、湯の成分が付着してさらなる白さを実現しているものと思われる。
実に良い感じだ。
外湯の中でもユニークな存在感を発揮している。
天井は意外にも、結構な高さがあり、閉塞感は皆無だ。
リニューアル後の様子を画像で見たところ、基本的な浴室の構造は変わらないが、この白い縁のうえに、板を這わしているようで、それ自体は決してマイナスではないのだが、この白い浴槽と湯の色の見事な融合からかけ離れてしまうことが残念だ。
とは言え、豊富な湯量によるかけ流しの気持ち良さは変わらないであろう。
源泉:湯畑源泉
泉質:酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉 pH2.02
住所:〒377-1711 群馬県吾妻郡草津町草津210−21(バスターミナルから徒歩3分)
※一般入浴不可
2023年12月時点の情報
9/18.千歳の湯(ちとせのゆ)
草津温泉バスターミナルから湯畑とは反対方向に進んで徒歩3分、住宅街の中にあるのが千歳の湯だ。
公民館のような建物で、訪問当時リニューアルしたての小奇麗な建物だ。
中は、典型的な共同浴場の構造で手前に脱衣所があり、スライドガラスドアで浴室と隔てている。ガラスドアの横にちょっとしたガラスの小窓が浴室との間に設置されている。
驚いたのが、浴室の雰囲気だった。
ちょうど太陽の陽ざしが窓から入って白い浴槽にあたり、浴槽が浮かび上がるように陰影を作り、薄緑色の湯が美しく輝いて見えたのだ。
あくまでもこのタイミングが良かっただけなのだろうが、コンクリート造りで無機質な浴槽だが、実に美しい光景を見ることができた。
浴槽自体は、この前に紹介した白嶺の湯と似た造りであり、味気ない感じではあるのだが、浴槽の縁全体から均等に湯が溢れ出る様は、実に美しい。
千歳の湯も湯畑源泉を引いており、大量のかけ流し状態となっていて、浴室の床に排水が間に合わない分溜まっているような状態だ。
これは本当に贅沢なことだ。
ここの天井は高く、立派な梁まで通してあるのでこだわりを感じる。
小さすぎず大きすぎない程度の浴槽に入ると、ザバーっと湯が一気に溢れだす様子もまた楽しい。
ここの他とは違う点は、蛇口にホースを付けて湯を空気に触れさせず、浴槽の下部に静かに注ぎ入れていることだ。
これによりバシャバシャと音を立てることなく静けさを保てるだけでなく、湯の鮮度を保てるのだ。
このお蔭で、かけ流される湯の音だけが静かに聞こえ、一段とゆったり気分で湯に浸ることができる。
この手段は湯を大量投入する温泉では結構珍しいのではないだろうか?
源泉:湯畑源泉
泉質:酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉
住所:〒377-1711 群馬県吾妻郡草津町草津23-39(バスターミナルから徒歩4分)
※一般入浴不可
2023年12月時点の情報
10/18.喜美の湯(きみのゆ)
草津温泉バスターミナルから湯畑とは反対方向に進んで徒歩6分、千歳の湯よりさらに住宅地の方にあるのが喜美の湯だ。
通りに面していないので小道に入って行ったところその建物に驚いた。
造りがThe湯小屋といった風情なのだ。
これは草津温泉の外湯の中でも珍しい部類に入るものだ。
長野の渋・湯田中温泉の外湯のような湯屋造りと云った方が良いだろうか。見事な造形に感じ入った。
中は、典型的な共同浴場の構造で手前に脱衣所があり、木製のスライドガラスドアで浴室と隔てている。湯小屋同様に木に拘っているのが良い。
浴槽は木で浴槽内はタイル、床はコンクリート造りで、ブラウンの落ち着いた色が特徴の浴室だ。
壁の上部は明るい色の木が張り巡らされ、見事な天井の梁と一体感を持っている。
この湯小屋は見事な造りだ。
まさに湯屋造り。湯気抜きから太陽の陽が差し込んで、湯気を照らし、見事なスポットライトを演出していた。
入浴すると、つい天井を見入ってしまうほど立派な造りだ。
また、湯口が蛇口からの直接注入ではなく、小さな湯貯め槽に蛇口から注ぎ込まれ、そこを通じて浴槽に入る仕組みとなっている。
熱い湯をワンステップ挟むことで少しでも冷まし、水で一気に薄める量を減らすことを狙っているのだろう。
これも草津では珍しいのではないだろうか?
よく見ると、浴槽の縁の外側には溝が掘ってあり、かけ流された湯がその溝から排水口に向かう構造となっている。
これは浴室の床一面に湯が広がるのを防いでいるのだろうが、個人的には広がって欲しいので、残念な構造だ。
源泉:湯畑源泉
泉質:酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉
住所:〒377-1711 群馬県吾妻郡草津町草津454-54(バスターミナルから徒歩6分)
※一般入浴不可
2023年12月時点の情報